私が小学校1年生の時、
両親がマイホームを建てることになりました。
それまでは
社宅の小さなアパートで
暮らしていましたが、
そこへ工務店の方が来て、
父と真剣に打ち合わせしていたのを
覚えています。
父は特に、
採光へのこだわりがあったようで、
大きな窓や、明かり取りのFIX窓などを、
取入れて計画していました。
いよいよ工事が始まり、
たまに現場を見に行くようになるのですが、
竣工まであと1カ月という頃。
いつものように現場を見に行くと、
玄関ポーチの壁に、
ぽっかりと空いたスペースがありました。
これは何だろう?と思っていると、
職人さんが、
おもむろにガラスブロックを持ってきて、
その空いたスペースを施工し始めました。
ガラスブロックを、
手際よくひとつずつ積み上げて行き、
スペースにピッタリと納めていくのです。
そのあざやかな仕事ぶりに、
私は職人さんの作業している様子を
見入ってしまいました。
子供に真剣に見られていることに
気付いてはいても、
愛想よくするわけでもなく、
でも、少し誇らしげに
黙々と仕事を進める後ろ姿。
子供ながらに“すごい!”って
感動したのを覚えています。
家が出来上がってからも、
父がこだわって採用した
玄関ポーチのガラスブロックから、
光りが射し込まれる様子を見ては、
職人さんの後ろ姿を思い出すのでした。
普段、打ち合わせで決定した情報は、
図面を通して施工されていく訳ですが、
実際に形にするのは
すべて職人さんの手によるものですし、
腕の良さが求められるので
一朝一夕とはいかず、
努力と経験と勘が必要になります。
言うのは簡単ですが、
それを現実に造りだすのは
相当に大変なことですよね。
難しい要求にも、
綺麗に納めていただいていることに、
本当に感謝しています。
ガラスブロックと職人さん、
私にとって、
忘れられない思い出でもあり、
“やっぱり、職人さんは凄いな!”
と、今もリスペクトする原点なのです。
それでは、
Happyな一日をお過ごしください!