三大巨匠のひとり
フランク・ロイド・ライト
帝国ホテルなどの設計や
浮世絵の収集家といった、
日本との関係が深いライトが
デザインした照明
タリアセンシリーズ
シリーズのフロアスタンドを
初めて見た時に、こう思いました。
「印象的なんだけど、
どこか懐かしく落ち着く」
それは、
パーツを組み上げていく、
積み木のような印象からか、
はたまた、
木の素材と柔らかな光が
そう感じさせるのか…。
今回の名作の理由は、
巨匠ライトの照明、
タリアセンシリーズを
取り上げたいと思います。
このシリーズ、
よく目にするのは
フロアスタンドだと思いますが、
デザインの原型になっているのは、
ペンダント照明でした。
商品名にもなっている
“タリアセン”とは、
ウェールズ語で“輝く額”を意味し、
ウィスコンシン州スプリンググリーンに、
ライトの自邸と、
設計工房や共同生活のための
建築群のことをいいます。
そこは、自給自足の共同生活をしながら、
ライトの提唱する「有機的建築」
つまり、自然と建築の融合について
学ぶ建築スクールです。
その敷地内にある、
ヒルサイド・ホーム・スクールの体育館を
劇場に改装した時に
デザインしたペンダント照明が、
タリアンセンシリーズの原型になっています。
木製のボックスと反射板が連なり、
反射板は、
光りが当たるとガラスに見えるように
ブルーに塗装されています。
しかし、1952年に劇場が焼失してしまい、
再建されたときに、
ペンダントのデザインを応用した、
フロアスタンドのタリアセン2が
開発されるのです。
フロアスタンドのタリアセン2では、
特徴でもある、
四角い木製のボックスと
反射板のデザインを用いますが、
遮光板は塗装されず、
木の仕上げのままとなり、
あたたかく柔らかな光を放ちます。
また、遮光板の位置を、
ボックスの上か下のどちらかを選んで
取付けることができるのも、
フロアスタンドの特徴です。
照明が点いているときは、
作り出す陰影と柔らかな光りが
特別な空間を演出し、
消えているときには、
オブジェのように存在してくれます。
支柱には、
ライトのお気に入りの色でもある、
「チェロキーレッド」が
使われていますが、
2016年に発表された
ブラックエディションでは、
黒単色で仕上げられ、
それもまたスタイリッシュなのです。
ところで、
照明の正式ライセンスは、
「建築家や職人との豊富な実績と経験」
「高品質な器具」が評価されて、
YAMAGIWAが取得しています。
しかも、
そのライセンスは
フランク・ロイド・ライト財団から
極秘に調査され、
1分野1企業に限られたそう。
そんな中で選ばれるなんて、
とても名誉なことですよね!
木を使った柔らかさと、
モダンなデザインを合わせ持つ
タリアセンシリーズは、
タイムレスでありながらも
どこか懐かしさを感じさせてくれます。
それが、
プレーリースタイル、
モダンやミッドセンチュリーだけでなく、
和室にも合ってしまう理由かもしれません。
今日は、
タリアセンシリーズについて
お話しました。
それでは、
Happyな一日をお過ごしください!