名作の理由 いちご泥棒

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“いちご泥棒!?”

初めてその可愛らしい
ネーミングを聞いたときに、
クスッと笑ってしまいました。


一度は目にされたことが
あるかもしれません。

いちご泥棒 
(Strawberry Thife)

をご紹介します。


いちご泥棒(Strawberry Thife)は、
1883年に制作されたテキスタイルで、
デザイナーは、ウィリアム・モリスです。

ウィリアム・モリスは、
イギリスのデザイナー・思想家・詩人で、
「モダンデザインの父」と呼ばれています。

当時は、イギリスの産業革命の影響で、
大量生産により、
粗悪な商品があふれていました。
そんな中、
モリスは手工芸にこだわり、
鳥や植物をモチーフにした、
自然の美しさをデザインし続けました。

アーツ・アンド・クラフツ運動
(美術工芸運動)
を主導し、
工芸と芸術と生活を統合させよう、
というモリスの思想は、
建築など様々な分野にも、
影響を与えるようになります。

彼の作品の中でも、
最も人気のあるデザインが、
この、“いちご泥棒”です。

「イチゴを育てる園芸家たちが、
収穫時期になると、鳥たちにイチゴを
ついばまれてしまう。」という、
日常の中で起きた、小さな悩みから、
インスピレーションを得て、
デザインされました。

マナトレーディングホームページより引用


鳥と植物を用いた構図が、
とても繊細で美しいです。



また、制作には、
インディゴ抜染に、
赤・緑・黄色などを、
個別に重ねていくという、
高度な技術が用いられました。

インディゴ抜染とは、
インディゴで染色した後に、
部分的に色を抜くことです。
その部分に、
複数の色を個別に染めていくので、
出来上がるまでの作業工程が増え、
時間がかかります。

これだけの細かい絵柄に、
その都度色を抜き、
重ねていく、というのは、
気の遠くなるような作業です!!


モリスの思想が反映された、
高い技術による丁寧なモノづくりと、
日常の自然美を表現したデザインが、
今もなお、
世界中の人々に愛され続けている
理由かもしれません。

今回は
「いちご泥棒」についてでした。

Happyな一日をお過ごしください!