私はこの椅子が好きです。
良いデザインは、
年齢に関係なく心に響くと
思わせてくれた椅子でもあります。
今回の名作は、
CABをご紹介いたします。
1977年に発表されたCAB
デザインは、
イタリアの建築家でデザイナーの
マリオ・ベリーニで、
メーカーはカッシーナです。
毎回名作をご紹介するたび思うのですが、
本当にカッシーナは名作が多い!
家具の歴史的名作と、
未来の名作が集まっていると思います。
さて、
話しをCABに戻しまして、
マリオベリーニの語るCAB誕生について
私は皆がごくシンプルにイメージする椅子を、ヒトの身体の延長上にあるものとしてデザインすることを試みた。その結果、骨格とも言えるスケルトンに厚革を伸ばして張り、人間の身体を柔軟に受け止める椅子が出来上がったのである。
引用元:カッシーナ
実際にCABの構造は、
金属のフレームに
縫い合わされた16のレザーパーツを
被せた構造になっていて、
脚部のジッパーを締めて納まります。
風合いのあるタンニン鞣しの厚革と
フレームといった、
シンプルな組み合わせにもかかわらず、
絶妙な背もたれのカーブと、
ちょうど良い座り心地の座面。
まるで、
身体にフィットした、
テーラーメイドの厚手の革ジャンを
着たような印象です。
使い込むほどに厚革の風合いが増し、
より身体に馴染んでくるのも魅力ですし、
日本人の体形に合わせ、
イタリア本国仕様より、
座面高を低く430㎜にしているところも、
座り心地の良さをアップしています。
また、
ラインナップとして、
アームレスチェア、アームチェアだけでなく、
カウンターチェア、ラウンジチェア、
ソファ、ベッドまで、
CABをシリーズ化しているのも、
人気の高さが伺えます。
以前、
友人が子供を連れて家に遊びに来ました。
当時小学校2年生の男の子は、
部屋に入るなり、
「この椅子良い~。」
と、家にあるCABを撫でながら、
呟いたのです。
・・・・。
この椅子の歴史も
デザイナーも
メーカーも
知るはずのない男の子が、
一目見てCABの良さを感じ取り、
つい撫でてしまう・・・。
なんだか、凄いなと思いました。
良いデザインは、
年齢に関係なく心に響く
そう思った瞬間でもあります。
世の中に、
革張りや合皮で張られた椅子は
多くありますが、
CABの持つ
細部まで計算されたディティールは、
思わず見とれてしまうほど素晴らしく、
質にこだわった厚革の風合いも、
使うほどに愛着が湧いてくる、
まさに秀逸なデザインの椅子なのです。
今日の名作はCABについて
ご紹介しました。
それでは、
Happyな一日をお過ごしください!